およげ!たいやきくんの名プロデューサーが伝える『本物の感動体験』を今、子どもたちに―
「まいにち まいにち ぼくらはてっぱんの うえでやかれて いやになっちゃうよ」
…この歌詞を見て「あぁ~!」と思った方、アラフォーかアラフィフかな?!今でも親子で一緒に歌えるご家庭も多そうですね。
幅広い世代に言わずと知れた「およげ!たいやきくん」は1975年にフジテレビの子ども向け番組「ひらけ!ポンキッキ」のオリジナル曲として発表されました。
12月25日の発売当日に10万枚、年内に30万枚を完売し、オリコン調べで累計450万枚(オリコンにカウントされないものも含めると500万枚以上)のレコード・CDを売り上げました。今現在も、日本で一番売れたシングル盤とされています。
このディレクターを務めた小島豊美さんが市川市に長年、住んでいるのをご存知でしょうか。
小島さんは他にも、数え歌として今も歌い継がれている「いっぽんでもニンジン」やユニークな歌詞が印象的な「パタパタ ママ」、NHK『みんなのうた』でも知られる「山口さんちのツトム君」「南の島のハメハメハ大王」「北風小僧の寒太郎」など、数々の名曲を世に送り出しました。
その小島さんが再び、現代の親子に伝えたいこと――それは「本物を見る目、本物を感じる心を育てよ」というメッセージです。
小島さんのお父さんは、文筆家・評論家・歴史家として知られる小島貞二氏。相撲・プロレス・演芸に詳しく、小島さん自身も幼いころから相撲観戦や落語鑑賞の機会がふんだんにあったそうです。
そんな経験から、子どもに本当に響く伝え方とは? を追求し、誕生したのが「ひらけ!ポンキッキ」のスポット放送です。
1つのメッセージを10~15秒の1つのコンテンツとして凝縮した番組作りは、「にほんごであそぼ」「デザインあ」「ピタゴラスイッチ」など、現在のNHK 教育テレビの人気番組でも多々活用されています。
「子どもは家庭でハグされて、安心して大きくなる。思い描く力=イマジネーションが十分に育った子どもは素晴らしい創造性を発揮します。人間の可能性は無限大です。子どものときに本物の感動体験を大人が与えることは、本当に大切だと強く訴えたい」
本物の感動体験にこだわる小島さんだからこそ知る、親子の感性の磨き方を、いちかわ発見伝で、これからさらに広く、深く、伺ってみたいと思います。
【佐藤鼓子/文 大下和代/イラスト】